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いより通信 vol.222 (2023年08月号)

人員不足に立ち向かう

みなさん、こんにちは!
社労士の井寄です。


大阪は本気で暑い日が続いています。
「外に出たくない」の一言に尽きます。
しかし運動不足になると身体がむくんでしまいますし
脳にも血流がいかなくなるとのことですので
夕方など意識して歩くようにしたいと考えています。

さて、皆さまの会社様は人員は足りておりますでしょうか。
お客様の会社でも、ビジネスパートナーの各士業のみなさんも
行きつけの飲食店のみなさんも、人員補充がなかなかできないことを
嘆いておられるケースが多いです。

弊所も他人事ではなく、3月末に退職されたスタッフの補充が
いまだできておらず、本気で苦しいです。

「猫の手も借りたい」」という言葉がありますが
少なくとも、弊所は「猫の手」では足りません。
お客様の会社の心臓部でもある労務関係の仕事を
費用をいただいて代行させていただいている都合上
最低限の知識や経験があり、「仕事を正確に進めたい」という
意識がある方を希望しており、人選に苦心しております。


私は社労士として独立開業して、18年目になります。
スタッフの雇用は、開業して2年目くらいだったと記憶しています。
そのころと比べて業務量は圧倒的に増えていますが
これまで、何度かスタッフの入れ替わりがあり
そのたびに、進め方の見直し等をしてきたため
業務効率を上げながら、ミスを減らすはかなり徹底されていると
考えています。(長く勤めてくださっているスタッフの力が大きいです)

そうした中で、今の業務処理の流れがよりスムーズになるのか
流れを止めてしまうのか・・かなり、スタッフの力量によるところが
大きいと考えており、そうなると採用にも慎重にならざるを得ない
状況が続いています。
 

何事もうまくいかないときは、やり方を変えてみる
自分の中の「絶対」を見直す、などあるかと思います。

おそらく、人員不足は今に限らず、今後も続くことが想定されますので
それでも耐えうる事業内容にしていくことも、ひとつの選択肢かもしれません。

 

8月給与の注意事項

1)4月に昇給があった場合(通勤手当改定を含む)社会保険料の等級について7月改定となっていないかどうかの確認をしましょう。

今月の気づき

7月も業務の繁忙期でしたが、併行して大学での発表準備もありました。
研究テーマである、精神障害の労災認定基準が、12年ぶりに改正される予定です。


改正に先だち、精神科医や法学者など、精神障害および労災保険制度の専門家による
専門検討会が14回にわたり開催され、「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書」
令和5年7月4日に公表されました。

大学での発表は、上記専門検討会報告書の内容を、平成23年に発出された現行認定基準(令和2年一部改訂あり)
と比較し、変更箇所について、裁判例等も参照してまとめました。

本来は、検討会報告書をまとめるだけでは足りず、自論の展開をしていくべきなのですが
業務の繁忙期でもあり、これまでの経験上、広く浅くで何も得るものがない
(発表をき聞いてくださるメンバーにとっても)よりも
徹底的に検討会報告書の内容を読み込み、現行認定基準からどう変わったのか
また、精神障害労災認定基準のあり方が大きく変わった平成11年の判断指針の策定前の
専門検討会報告書で示された内容から変わっているのか変わっていないのか
についてまとめました。

結論として、労災認定における精神障害の発症について
「ストレスー脆弱性脆弱性理論」に依拠し業務起因性を考えることなど
大きな枠組みには変更はありませんが、認定基準がより理解しやすいように
心理的負荷を与える業務上の出来事について具体例の詳細化されたこと
これまで裁判所での判断が分かれていた出来事が複数ある場合の取り扱い、
既存(業務上ではない)の精神障害を有する場合の悪化の取り扱いなどが
今回整理されています。

論文を完成させるためにはよいタイミングでの改正ですので
今年こそ提出をめざしてエンジンをかけたいと考えています。

 

 

 

(2023年08月発行)

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