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いより通信 vol.208 (2022年06月号)

従業員の権利に敏感になりましょう

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

おかげさまで忙しい日々を過ごしています。
最近、多いご相談として「従業員から『◎◎であれば××できる』と
インターネットに書いていると言ってきているが
自社のルールに当てはめるとどうなるのか」というものがあります。

ネット上には、たくさんの情報が溢れています。
発信元が厚生労働省等であれば、信頼できる情報と言えますが
だいたい、皆が見ているのは、「こうすれば得」「今のままでは損」が
ベースにある情報が多いように感じます。

そうした情報はよく吟味する必要があります。
確かに前提として◎◎であれば、××になる場合もあるけど
それって相当レアだよね、とか、それを実現するためには
△△という要件も必要だよね、といったことも多くあります。

ただ、会社の担当者が上手く説明できないと、
「会社は自分にとって有益な情報を知らせずにいる」と思われてしまい
信頼関係を損ねてしまう、という残念な結果になってしまいます。

このように従業員側が自分の都合のよいように内容を捉えているケースもありますが
会社側が情報を知らないことも、ままありえます。

男性も育児休業を取得することができることを
知らないケースはないと考えますが
「配偶者が育児休業を取っているのに何故、男性社員まで休むのか」
「配偶者は専業主婦なのに、なぜ休む必要があるのか」など
どちらかひとりしか休めないという誤解をされているケースがあるようです。

1歳到達(原則)までの子を養育する労働者は会社に対して育児休業の取得や
育児短時間勤務を求めることができます。
それらは従業員の権利になります。

法律はどんどん改正され、労働者のワークライフバランスの実現に向けて
(という建前で、本音は国の年金制度が破綻しないための少子化問題解消が目的です)
会社に対し、幅広い配慮を求める方向に進んでいます。

「知らない」「自社には関係がない」では済まないことが多くあります。
会社側としては、「正しい知識」を持ち、何をしなければならないのかを
見極めて実施する必要があります。
自分の権利に敏感な労働者が増えていると感じます。

 

6月給与の注意事項

1)2022年度労働保険料の申告が始まります。7月11日(月)が申告および納付期限です。

2)6月給与が完了したら算定基礎届の作成・提出の準備をしましょう
 

今月の気づき

5月があっという間に終わりました。
時間が経つのが本当に早いです。


おかげさまで仕事のご依頼をたくさんいただいており
何かご依頼されてすぐにご対応できない状態が続いています。

何かをするために時間を空けても、すぐに別の何かが入ってくる状態です。
その理由のひとつとして、メインの記事にも書きましたが
改正法の対応のみならず、何かあったときに、従業員さんがその処置方法などについて
細かく会社に説明を求めてくることが多くなっているように感じます。

その都度、就業規則のどの条文が根拠になるのか
条文の解釈などの説明が当職に発生します。

ときには、就業規則の見直し(より具体化した条文に)となり
さらに時間がかかる、という流れです。

手続き業務と異なり「効率化」は難しいと感じています。
 

論文完成が時間との戦いになってきた今、両立を模索中です。

(2022年06月発行)

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