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いより通信 vol.173 (2019年07月号)

容易に人が採用できる会社になるためには

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

大阪はやっと梅雨に入りました。
今年は梅雨なしで、そのまま夏に突入するのかと
心配していましたが、無事梅雨入りしてよかったです。

梅雨に入ったら一気に湿度があがりました。
加齢で乾燥しがちになっているお肌には良さそうですが
快適な環境とは言い難いのが残念です。

さて、今、お客様のところで一番相談を受けることが多いのは
人の採用について、です。

人の補充をしようとし、求人広告などを出しても
本当に人が集まらないとよく聞きます。

誕生日休暇や、社員旅行、福利厚生施設の利用など
プラスαのところで、他の企業と差をつけたいと考える
会社さんが多いようですが、現実はそうした「小手先」では
求職者の気持ちを動かすことはできないと私は考えています。

各企業が欲しがる20代後半から30代前半の人材が
仕事を探すときに、ときに、まず確認するのが年間休日数だと聞きます。
完全週休2日制は当然で、長期の夏季休暇・冬期休暇・GW休暇などが
保証されており、かつ、できれば1日の労働時間数も8時間未満で
残業時間は月10時間程度が希望とのこと。

私のお客様にも多くありますが、年間カレンダーで休日を決めておられ
1日8時間労働だと年間休日105日になりますが、それだと少ない、と感じるようです。

そこの入口でまずでつまづいてしまう(求職者からはねられる)ため
いくら福利厚生を充実させたところで、求職者の目には留まらないのです。
 

①年間休日数→②1日の労働時間数→③1ヶ月の残業時間数の
「労働時間に関する労働条件」をクリアしたら次は給料になります。
固定で月にもらえるのはいくらになるのか、あと賞与の月数などです。

ハローワークで求人を出されている会社は、同業他社や同じ職種で検索をかけてみると
他社がどのような労働条件で求人を出しているのか確認することができます。

その上で求人の条件を考えることになりますが
実際は求人票の内容を変えるだけでは足りません。
自社の休日数の見直し(交代で休むことはできないのかの検討)や、
1日の労働時間数を増やして休日数を増やすことはできないのかなど
自社の労働条件の抜本的な見直しが必要になります。

小さな会社では、どうしても休日数や給料について
求職者からするとすると見劣りすることも多いため
実は、媒体で他社と比べられることのない
従業員の紹介で入社した人の方が採用につながりやすいという
話もきいています。

従業員の紹介に頼るのであれば
今、勤務している従業員が働きやすい環境を整えることに
注力すべきです。
そうすることで、離職率を引き下げることも可能になります。

そもそも労働力人口が減少しているため
今後、ますます若年者の採用が厳しくなります。
(45歳以上の中高年者については大手企業がどんどん手を離して
いるため、労働市場に出てくる可能性が高いと私は考えていますが)

若手社員を雇いいれて育てていくためには
まず自社の労働環境を整備し、
今勤務している従業員の満足度を上げ
会社に協力して若手を育て上げようと思ってもらうことが必要です。

会社に不満を持つ従業員にそのような役割は望めません。
人の採用・採用した人の定着と成長のために
やるべきことを考えてみるようにしてください。

7月給与の注意事項

1)労働保険料申告および納付、社会保険算定基礎届の提出、源泉所得税の納期の特例をしている場合の支払い期限 
いずれも7月10日(水)が期限です。

2)賞与の支給がある場合、賞与支払い届および、賞与分の源泉所得税の支払いをお忘れなく

今月の気づき

毎月、バタバタしておりますが、6月は特に忙しかったです。
大学院の博士課程に入って4年目になりますが
専攻の労働法だけではなく、民法や会社法の講義も受講しており
その課題の対応があったこともひとつの大きな要因です。


実務においても、今年はいつになく休職者と
入社して間もなく退職される社員の方の対応に追われています。

働き方改革が始まってから、大きな混乱は表だってはありませんが
時短や効率化、生産性向上を常に会社から言われることで
気持ちの余裕を無くしている人が多いように感じます。

すべての人がそうではありませんが
できるだけ働くことに時間を費やしたくないと考える人も増えているようにも感じます。

「働くことができる時間が限定的なのでストレスを感じる」人は
我々の世代までで、今後は減少していくんでしょうね。

時代の変化を受け止め、様々な価値感を持つ人が
混在する職場の風通しをよくするために
我々ができることを考えていきたいと思います。

 


 

(2019年07月発行)

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