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就業規則は魔法の杖ではない
みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。
大阪は新緑の季節を迎えました。
私の事務所がある淀屋橋周辺は
御堂筋のいちょうの新緑を楽しむことができます。
紫外線がどんどん強くなり、女性には危険な季節に
突入しましたが、暖房・冷房なしで過ごせる時期を
楽しみたいと思います。
さて、毎年、年度替わりには、就業規則の見直しのご依頼が増えます。
法改正に伴うものもあれば、社内で問題が起こり
それに対応できるように就業規則を厳しくしたい、という
ご依頼もあります。
ご存知のように、就業規則は、会社ごとに自社の社員との
約束を定めたものです。
労働時間、休日等、労働基準法等で最低基準が定められたものもありますし
休職規定、服務規律、懲戒規定など、会社ごとに独自ルールを
定めることができる内容もあります。
例えば社員の問題行動を正したいと考えた際に
服務規律の適用や、場合によっては懲戒規定の適用を
考えることになります。
規定に書いていなければ罰しにくい、
社員に対する説得力がないなどと考えてのご依頼だと
考えますが、就業規則さえ修正すればそれらの問題行動は
なくなるのでしょうか。
懲戒規定は確かに罪刑法定主義の考え方をされるケースも多く
何をしたときにどうなるのか、ルールに決めてあらかじめ
周知しておくことが、万が一、懲戒処分の相当性をめぐって
社員と争いになった場合には、必須の条件だと考えます。
ただし、重要なことは就業規則に書いてさえいれば
社員に罰を与え、問題行動を起こす社員を更正させたり
そもそも問題行動の発生を防ぐことができるのかというと
そうではないと私は考えています。
就業規則は労働基準法等による制約があるとはいえ
経営側が一方的に定めることができるものです。
就業規則に書いてさえいれば
会社がよくなるというものではありません。
就業規則を整備することは大切ですが
その前に、まずは社員と向き合い
会社の思いや、組織で動くために必要なマナーや
考え方を繰り返し伝える必要があります。
問題行動を起こす社員がいた場合
どのような考えでその行動に至ったのか
それについて会社はどう考えているのか
なぜ、それを「問題行動」として捉えているのかを
まずは対面で話し合う必要があります。
「貴方の行動は就業規則の服務規律に違反しているので
始末書を書いて下さい」だけでは、問題行動は改善されません。
当該社員と一緒に問題を解決し、社員の適性を見極め
配置や職務を見直すなど、会社にとっても社員にとっても
プラスとなるように考えるようにしましょう。
就業規則だけに頼らず、社員と向き合うこと、
社員の声をきくことをぜひ意識してみてくださいね。
5月給与の注意事項
労働保険料申告の準備をしましょう
今月の気づき
おかげさまで、欠員だった職員さんが決まりました。
3月は思ったより応募者が少なかったのですが
4月に入ってからホームページをご覧になった方や
いより通信をお読みいただいている方など
複数名の応募をいただきました。
みなさん、社労士業務にご興味がある方ばかりで
欠員枠が1名でしたので、選考に漏れてしまった方には
申し訳なかったのですが、5月から年度更新や算定基礎届など
繁忙期に入るため、実務経験を重視で選考させていただきました。
「働き方改革」が進められ、「働き方」に対する関心の高まりを
感じました。
クライアント企業の従業員さんが働きやすい環境つくりをサポートしたいです、
とおっしゃっていただく方も多く、私もハッとしました。
目の前の作業で追われて、何のために仕事をしているのか、という
根本的なところを見失っていたように感じます。
新しいスタッフが増えるこの機会にもういちど初心に戻り
お客様やお客様の会社の従業員さんの幸せ指数が少しでもあがるよう
サポートさせていただきたいと思います。
(2018年05月発行)