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平成30年4月からの無期転換申し出への準備をしましょう
みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。
10月になりました。2017年もあと3か月です。
忘年会の日程もどんどん埋まっております。
大学院の講義も後期が始まりますし
年末まで慌ただしい日が続きそうです。
さて、平成24年に労働契約法が改正されました。
改正事項の中に、有期雇用契約者が通算5年以上
反復継続して契約更新がなされた場合、
労働者は会社に対して無期転換の申し出をすることができるという
ルールが追加されました。
無期転換への申し出をされた会社は断ることはできず
申し出があった期間の契約が満了以降は無期(雇用期間に定めのない)契約となります。
改正法が適用となる契約の始期は平成25年4月1日以降のものです。
したがって、平成30年4月1日以降、無期転換への申し出ができる契約社員が発生することになります。
(注:2年契約や3年契約で契約更新をしているケースについては、
すでに無期転換の申出権が発生しているケースもあります)
厚生労働省も「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト」なるものを立ち上げ
無期転換ルールの周知徹底に努めているようです。
企業としてやるべきことは、無期転換した有期契約労働者の処遇について
就業規則等で定めておくことです。
これまでは、雇用期間の定めのある労働者は「契約社員」、
雇用期間に定めののない労働者(定年までまで働くことを前提とした労働者)を
「正社員」として,処遇の差をつけてきた会社が多いと思います。
今回の契約社員の無期転換ルールでは「契約社員」を「正社員」と同じ処遇にしろ、
といったことは盛り込まれておらず、雇用期間の定めの他の労働条件については
契約社員時代のものと同じでも構わないとされています。
すなわち給料や賞与・退職金の扱いについては、契約社員のときと同じでも構わないが
雇用期間の定めについては、無期転換の申し出があった場合には外さなければなりません。
なお、よく誤解されていることとして、平成25年4月1日以降に契約の始期がある
契約社員を5年以上反復更新をしている場合、それらの人を全員無期転換
しなければならないというルールではありません。
あくまでも無期転換はは、労働者からの申し出があった場合に限りますのでご注意ください。
無期転換をした元有期雇用労働者の処遇を正社員と同じにするということであれば
「無期転換社員を正社員として処遇する」とすればよいですし
契約社員とは正社員とは採用時の経緯も異なるし、
入社後の教育訓練やキャリアもまったく異なるので、
正社員として処遇するのは難しいとするのであれば
「準社員」かなにかの区分を新たにつくって、
その処遇についても就業規則に記載しておく必要があります。
現実的に、契約社員を景気変動等による雇用の調整弁として雇い入れている会社について
無期転換の申し出をされると困る、といった場合は、今後、新たに契約をする際に
最初から「上限3年」などと契約期間の上限を定めておくことをオススメします。
上限の記載なしで、「契約更新をする場合がある」という書き方をしていて
急に5年目の契約を交わす際に「今回で終了とします」というためには
それ相応の理由が求められます。
ましてや「無期転換の申し出をされないために」という理由であれば、
雇い止めについて争いになった場合に会社が不利になります。
いずれにせよ、有期雇用契約者のリストアップをして
誰がいつ無期転換権を得ることができるのかを
管理した上で、実際に無期転換社員が発生したときに備えて
その処遇を決めておくようにしましょう。
なお、定年を60歳としている場合の継続雇用の高齢者および
5年契約としている高度専門職については、無期転換ルールの特例措置の申し出をすることができます。
10月給与の注意事項
1)厚生年金保険料率が9月分保険料より変更になっています。
10月給与から料率の変更をしてください。
(社会保険料を当月引きにしている会社は9月より変更です。)
2)算定基礎届による新標準報酬月額が9月分保険料より適用になります。
10月給与から等級の変更をしてください。
3)平成29年10月1日施行で、育児介護休業法が改正になります。
育児休業の期間の原則は子の1歳到達日(誕生日の前日)までですが、
保育所に入所できない等の理由がある場合に限り
1歳6か月までの延長がこれまでも認められてきました。
今回の改正により、1歳6か月の時点で保育所に入所できない等の理由がある場合に限り
子の2歳到達日まで認められることになりました。
(厚生労働省)改正育児・介護休業法のポイント
4)都道府県別最低賃金が改定になります。大阪府のみ9月30日より、
その他の都道府県については10月1日以降最低賃金が変更になりますので
募集・採用の際、さらに既存の従業員の給与についてもご注意ください。
(厚生労働省)平成29年都道府県別最低賃金
今月の気づき
8月の最初から2か月契約(16回のセッション)で通っていた
パーソナルトレーニングが無事終了しました。
減量というより、肩こり解消のために筋力をつけたいことが
当初の目的でしたが、トレーナーさんより「5キロ減量を目標にしましょう」と
言われました。
会食の予定も多く、最初は「できることだけがんばろう」くらいの気持ちで
始めたのですが、だんだんおなか周りの脂肪がなくなってきて
周りの人にも「痩せたのでは?」と言われるようになり
自発的なやる気が出てきたのが9月に入ってからです。
実は体重計が自宅になく、ジムに行ったときしか
計量をしておりませんでした。
終了まであと2週間になったときに、とうとうトレーナーさんに
「毎日朝晩体重を量ってください」と言われ体重計を導入しました。
やはり数値で追いかけるって大事ですね。
毎日計量していると、何が体重増加につながり
何が体重減につながるか、おぼろげにわかるようになります。
その結果、2か月終了前に目標体重に達することができました。
途中までは自分の意思というより、どちらかと言うと
「トレーナーさんが言うからやる」という感じでしたが
自分の意思でやるようになってから、トレーニングも
食事制限も楽しくなりました。
トレーニングをしていることで疲れにくくなり、痩身以外の効果も大きいので
引き続きジムに通うことにし、食事制限も緩やかに続けようと考えています。
自分の健康は自分で守らないと、加齢にしたがって体力は落ちるばかりですので
せいいっぱいの抵抗を試みたいと思います。
(2017年10月発行)