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マイナンバーの配布が開始されます
みなさん、こんにちは。社労士のいよりです。
シルバーウィークは、敬老の日を含むので「シルバー」なのか
それとも5月のゴールデンウィークに対抗しての「シルバー」なのか
わからないうちに、10月を迎えました。
朝晩は、ずいぶん肌寒くなりましたが、体調は崩されてませんでしょうか。
さて!今年に入ってからずっと対応策に追われていた「マイナンバー」の
配布がとうとう開始されます!
企業には、ガイドラインに沿った厳重な安全管理措置の構築が求められており
小さな会社では、まだ管理体制の構築ができていない・・というところも多くあるようです。
マイナンバーの通知は10月から開始されますが
実際の利用は平成28年1月以降です。
さらに会社が従業員等のマイナンバーを使って行う事務は限定的です。
1)健康保険・厚生年金保険関係届出事務
2)雇用保険関係届出事務
3)労働者災害補償保険法関係届出事務
4)国民年金第3号被保険者関係届出事務
5)給与所得・退職所得に係る源泉徴収票作成事務
上記の事務のうち、平成28年1月にスタートをするのは
2)雇用保険関係届出事務
3)労働者災害補償保険法関係届出事務
5)給与所得・退職所得に係る源泉徴収票作成事務
のみです。
(社会保険関係の事務については平成29年1月スタート)
すなわち年が明けてすぐに個人番号が必要になる人は
*在職者については
①1月1日以降に退職する社員。
(雇用保険資格喪失および退職時の源泉徴収票作成に必要)
②雇用保険高年齢雇用継続給付もしくは育児休業給付の受給手続をする社員
*新しく入社する社員
(雇用保険資格取得手続に必要)
のみ、なので、まぁまぁ限定的です。
入社者も退職者も育児休業者もいないような小さな会社であれば、
本格的に必要になるのは平成28年の年末調整をする際となります。
(すなわち 今バタバタしなくとも、本格始動まで1年近くあるということです。
但し、雇用保険加入者(在職者)につき、平成28年夏頃に
個人番号を一斉にハローワークに提出する予定になっているようです)
・・となると、年末の慌ただしいときに、鍵付きの金庫を準備をして
使わないけれど、重い管理責任の発生する番号を預かるよりも
少し落ち着いてから、実際に必要になった段階で
従業員さんに個人番号を提示してもらう、という方法を取ることも可能です。
さらに、マイナンバーの取扱いをどこまで特別扱いにするのか、という
問題もあります。
そもそもこれまでも、会社は個人情報満載の扶養等控除申告書等を
管理しています。それらの書類も厳重に保管をしているはずです。
マイナンバーについては、今後利用範囲が拡大され、
原則として一生同じ番号を使い続けることになるので
さらに厳格な管理が求められていますが、
漏洩した際のリスクが大きいのであれば
そもそも会社では個人番号を管理せず、
個人番号の記載が義務づけられている扶養等控除申告書のみ
紙ベースで金庫もしくは鍵のかかる書庫で管理し
手続で必要な場合のみ、社員に番号を申告してもらう、
という方法を取ることも可能だと考えます。
マイナンバーの管理体制の構築については
事業規模に応じて身の丈に合った管理方法をあわてずに見つけ
管理体制の構築ができてから、従業員に提出を求める、でも
間に合うのではないでしょうか。
まずは情報漏洩を防ぐ仕組みができてから
個人番号を集めるようにしましょう。
周りの動きや、新聞記事に惑わされず,
ご自身の会社でできる最良の仕組みを考えてみてくださいね。
10月給与の注意事項
1)平成27年9月より厚生年金の保険料率が改定になっています。
2)平成27年10月以降 地域別最低賃金が改定になっています。
→平成27年度地域別最低賃金(厚生労働省)
3)平成27年「年末調整のしかた」(国税庁ホームページ)が公開されています。
→平成27年「年末調整のしかた」
今月の気づき
10月から大阪大学法学部で労働法と社会保障法の講義を受講します。
大学院の法学研究科を今春修了しているので、今さらと言われることもありますが
大学院では研究発表が主で基礎的なことはやらなかったので
改めて大学で講義を受講してみたいと考えました。
私は、今年50歳ですが、あと15年か20年くらいは仕事を続けようと思っています。
これまで9年間、事務所をやってきて、自分は経営者にはなりきれないことが
わかったので、今後も職人として、自己の経験と知識を武器に仕事をしていく
つもりです。
50歳の手習いは、正直 知識のインプットに苦しんでおりますが
(夏のドイツ語も含め・・)やらなかったら、忘れる一方だし
やってはじめて現状維持くらいの感覚です。
「知識の積み上げ」とか欲張らずに、「既に持っているものをさらに磨く」という
感覚で、実務に役立つ研究を続けたいと考えています。
今後、世の中はさらに混迷を深めると考えています。
そんな中でも生き残る術を、と考えた結果が、事業規模を拡大せずに
自分自身の力を蓄えることです。
生き方は人それぞれでよいと思うのです。
自分が信じる道を命が終わる日まで
まっすぐに進んでいきたいと思います。
(2015年10月発行)