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いより通信 vol.126 (2015年08月号)

より「まともさ」が求められる時代に

みなさん、こんにちは。
本当に暑い日が続きます。
私は、自宅から駅までは自転車で行ってるのですが
自転車から降りて駅に着いた途端に汗がどっと噴き出してきます。
電車に乗ればクーラーで涼しいのですが、駅から事務所まで
徒歩8分の間にまた汗が・・

事務所が10時始業なので、出勤時間をもう少し早めればこの暑さに
遭遇しなくても済むかな、と思いつつ、朝に家事をしないと
落ち着いて仕事ができないので、仕方がないかなと思っています。

さて、社労士業界は、マイナンバー制度導入に向けて
商売をする人とか色々いて、せわしない感じです(笑)

さらに従業員数50名以上の会社については、
平成27年12月よりストレスチェックの義務化も始まります。
就業規則の改正等も含めてやることが満載です!


参考)厚生労働省 「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」


そんな中、平成27年7月24日に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が
閣議決定されました。
平成26年11月1日に施行された過労死等防止対策推進法の考え方を踏まえ
過労死等の防止のための対策を効果的に推進するために定めるものです。

参考)厚生労働省 「過労死等の防止のための対策に関する大綱の概要」

   厚生労働省 「過労死等の防止のための対策に関する大綱(本文)」

 

過労死等とは、長時間労働による脳血管疾患、心疾患等だけではなく
精神障害も含まれており、それらの原因とされる長時間労働の抑制、
メンタルヘルス対策なども含めた対応が企業に求められています。

当面の数値目標としては、
平成29年までに「メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上」
平成32年までに「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」
       「年次有給休暇の取得率を70%以上」
をめざすとされています。

過労死等防止対策推進法の施行後、長時間労働に対する是正への取り組みに対する
労働基準監督署の調査が厳しくなったと感じています。


「マイナンバー制度」導入により、社会保険・税金関連の情報が
関連省庁間で透明化されるので、社会保険・税金関係で
きちんとしていないことがあれば、相互間のチェックであぶり出されることになります。

「ストレスチェック制度」の義務化、さらに今回の過労死等防止のための対策が
具体化されたことで、長時間労働の放置、ハラスメントのある職場環境の放置
年次有給休暇が取れない環境など、本来あるべきではない状態を、
「小さな会社だから仕方がない」「そんなことを言ってたら経営が立ちゆかない」
などの理由で放置していた会社は、関連行政官庁からの指導を受けることも
増えるでしょうし、何よりも世間の目がそういった企業に対して
より厳しくなるので、よい人材が集まらず、企業が衰退してしまう、
という結果を招いてしまうことになります。

情報化社会になり、「何がまともで、何がまともではないのか」が
皆にわかる状態になっています。
最低限、法律で決まっていることは、やっていくという方向でやらないと
働く人にそっぽを向かれてしまうことになるのではないでしょうか。

小さな会社には、いいところがたくさんあります。
大企業は、社員の個別の事情に応じての対応というのは原則無理なので
どうしても社内のルールに基づいて対応せざるを得ない場面が多いのですが
小さな会社では、経営者と働く人の距離が近いので、個々の事情の勘案して
対応をしているケースも多くあります。

例えば病気になって長期入院をした社員に対して、
これまで有給も取らずに働いていたからと
何ヶ月も給料を払い続けていた会社があります。
ルールをそのまま当てはめると年次有給休暇の時効は2年なので、
数ヶ月も有給で休めることはないのですが
経営者自身が、その社員がこれまで貢献してくれたことがわかっているので、
もう会社に戻れないとわかっていても何ヶ月も給料を払い続けていたのです。

ただ、働く人の意識が変わっていることは事実です。
この事例のようなプラスのことは「当たり前」として受け取り
出来ていないことに対しては、徹底的に権利主張をしてくる人がいるのです。
企業として最低限何をやらなければならないのかを認識して
グレーな部分はこの機会に一掃されることを強くオススメします。

「いいこともあるんだからから、できてないことは少々目をつぶって」は
通用しないとお考えください。
まずは最低限のベースを積み上げた上で、さらにできることがあれば上に積んでいく
気持ちで労働環境の整備に取り組んでみてください。

自著で恐縮ですが、1年前に発売した著書がその視点で書いております。
会社が守らなければならない最低限のルールをもう一度確認したいときは
ぜひこちらの本をお読みいただければ幸いです。

『トラブルにならない「会社に有利な」ルールの作り方』(日本実業出版社)

 

 

 



 


 

8月給与の注意事項

1)標準報酬月額決定通知書がやってきたら、内容の確認をした上で、9月からの標準報酬月額の変更の準備をしましょう

 

今月の気づき

いや、本気で暑いです(笑)
我々は事務所の中で仕事ができるので
外で働いている方に比べたら全然マシだと思うのですが。

さて、うちの事務所は2年連続で職員さんがおめでたで退職という、
少子化貢献企業として表彰を受けたいくらいの感じなのですが(笑)
本音を言うと、少人数でやっているので、業務に慣れた人が
事務所からいなくなってしまう、というのは本当に辛い出来事でした。

もちろん、ご本人にとっても日本国にとってもおめでたいことなので
辛いって言えないことが何よりも辛かったです。

5月からずっと求人をしていましたが、応募者も少なく、どうなることかと
心配をしていましたが、なんとか新しい職員さんが決まりました。

今年は年初からの目標であった事務所内の業務改善に取り組んでおり
書庫の整理と管理の厳格化、業務システムの導入と
人の問題もあり計画よりは遅れ気味ですが、なんとか進めております。

今年も後半にさしかかってきました。
ここ1年は、今後どのような方向で事業をやっていきたいのかを
ずっと考えています。

従来の60歳定年で考えるとあと10年しかないので
最後の舵切りをどうするか・・

年末までには結論が出せるかなと思っています。
自分が大事にしている価値観をまっすぐに見つめて
命を使いきるためにやるべきことを考えてみます。

 



 

(2015年08月発行)

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