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いより通信 vol.99 (2013年05月号)

郷に入れば郷に従え

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。532693_534330526613586_1483377789_n.jpg
新年度に入り、あっという間に
1カ月が過ぎ去りました。
今年は4月から大学院に
通いはじめたこともあり
本当に目が回るくらいの忙しさでした。

しかしこうして学校に行きながらも
なんとか仕事ができるのは
留守を守ってくれる職員さんと
インターネットの普及で
事務所にいなくても仕事が
できる環境のおかげですね。
ありがたいことです。


大学院では、法律の勉強をしています。
私は英文学科卒業で、社労士になったので労働基準法しか勉強をしていません。

労使関係の問題が複雑化していく中で労働基準法だけでは立ちゆかない場面もあり民法、民事訴訟法、会社法なども、きちんと勉強をしたいと考えて大学院に行くことを決断した次第です。

おおよそ25年ぶりに行く大学は(母校ではありませんが)すっかり様子が変わっていて、履修登録や休講情報はすべてインターネットで登録したり、情報を確認することになります。
図書館の本も事務所のパソコンから予約することもできます。

私はたまたまインターネットを使うことができますがかなりお年を召した方も大学院には来られているので対応が大変だろうなぁって感じました。

そして、大学と大学院の違いはなんといっても受講生の数です。
大学院は、「学ぶ」ところではなく「研究」をする場であるので
受講生は、一番人数が多い民法のクラスで12人。
他は2人から4人という感じで、発表が当たるので
その準備にアタフタしています。

先日、社会保障法の発表が当たりました。
テーマは「女性と年金」でした。
年金も社労士の守備範囲であるし、楽勝だと考え
自分の持つすべての知識を発揮するつもりで
時間をかけて資料を作成したのですが結果は撃沈。

テーマとされた論文の分析を行うのが学問のやり方なので
実務での分析ではないのです。
私は「第3号被保険者でいるのと、第2号被保険者になるのとどちらがトクか」とか
いういつもの切り口でやってしまったのですが、それは学問ではない、と
バッサリ斬られてしまいました。

長年、社会人をやっていると自分の経験値で物事を考えがちになります。
しかし世の中、同じ視点でモノを考えている人ばかりではありません。

新規のお客様のところでは、求められていることも違うかもしれません。
自分のやり方や自分の視点に凝り固まるのではなく
場所ごとに求められているものは何かを見極め、
自分をそこに合わせていくことも必要ですよね。

「学問」は実務には直結ではないかもしれません。
しかし、モノごとの捉え方を学ぶと考えると、
掘り下げて物事を探求することは決して無駄にはならないはず。

今まで、「答え」だけを渡り歩いていたんだなぁと感じた瞬間でした。
せっかく時間とお金をかけて学校に通っているので
2年間で得られるものはすべて得てこようと思います。
まずは、物事に柔軟に対応できる自分になることからスタートです。

みなさんも、「少し自分のやり方と違うな」と思ったときに
背を向けるのではなく、正面から立ち向かっていかれたらいかがでしょうか。
新しい何かを発見することができるかもしれませんよ。

 


 

 


 

5月給与の注意事項

1.労働保険料年度更新の準備をしましょう。

平成24年度確定保険料および平成25年度概算保険料の申告期限は7月10日です。
平成24年4月1日から平成25年3月31日までの賃金総額の集計をするなど準備をしておきましょう。

→今年度の労働保険年度更新手続についてはコチラ


2.平成25年度より、厚生労働省管轄の助成金が変更になっています。

→平成25年度 厚生労働省管轄の助成金の変更情報はコチラ

 



 

今月の気づき

2009年4月発売のデビュー作『小さな会社のトクする人の雇い方・給料の払い方』book-mid.gifのサムネール画像先日増刷になりました。なんと7刷です!


出版不況と言われる中、発売して4年が経過しても引き続き必要とされる本であることをとてもうれしく思っています。


増刷になるたびに、法改正に合わせて内容を修正しています。
修正をするために、本をじっくり読むのですが、初めての本だけあってはじけるようなパワーがあるのと、独立してまだ日が浅い頃に書いているので視点が素人目線のところがあり、でもそれが返って読者には受け入れられやすくなっているのかなって感じました。

今の私が同じタイトルの本を書いたとしたら、冒頭に書いたように経験値があがりすぎていて
「こんな事例も」「あんな事例も」というマニアックネタを入れすぎて、
プロには受けるけれども本来の読者ターゲットである
「初めて人を雇うような経営者」の方には、難しすぎる内容になってしまう気がします。


そのとき、そのときに書くことができる本ってあるんですね。
でも「読者の視点で物事を考える」という基本的なことを
自分の本から学んだ気がしました。

 

(2013年05月発行)

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