いより通信:タイムリーな社会保険情報・助成金情報労務相談事例などを発信中!
社員の「気づき力」を養成しよう!
みなさん、こんにちは。
梅雨が明けて一気に気温が上がりましたね。
少しの移動でこれでもか、というくらいに汗をかいてしまいます。
こんな暑い中でもお客様が相談に来てくださいます。
事務所が駅から徒歩8分くらいの距離であることや
うちの事務所の周辺道路は碁盤の目のようになっていて
似たような風景なので、慣れない方はよく迷われます。
事務所にお越しになったときには汗だくになられているというときもあります。
(今、この記事を書きながら思いつきましたが、冷たいおしぼりを
準備しておくとよいですね!)
節電の夏ではありますが、お客様が来られる前には
いつもよりエアコンの設定温度を下げておく、
飲み物もお代わりを準備しておくなど
ちょっとした気遣いを心がけています。
こうした「気付き力」「気配り力」は人間にしかできないものだと考えています。
これからの仕事っていかに人間しかできないところで勝負をするかが
ポイントだと私は常々考えています。
私自身、計算も記憶もパソコンにはかなわないです。
最近、エクセルがないと電卓での計算さえおぼつかない状態で(笑)
漢字も書けなくなっていて、「選ぶ」ことしかできなくなっています。
しかしパソコンですべての作業は完了させることはできません。
先月発売した拙著『「残業ゼロ!ミスゼロ!」の給与計算事務』においても
給与計算そのものを手計算で行うという前提はなく
あくまでも給与計算ソフトを使っての計算を前提にしています。
それでも、原理原則がわかっていないと、「本当にこれでいいの?」という
イレギュラーなことに対して気付かず、ミスが発生するという流れになるので
そもそもの「仕組み」、イレギュラーが起りうるケースについて
ご説明をした内容となっています。
この「気付き力」というのは、意識をすることによって養成されるものだと考えています。
製造業の会社でよくやっている「カイゼン提案」も、
気付き力(自分で考える力)の養成のためにやっておられるとのこと。
自己研鑽しなければ、他の社員とどんどん差がついていく大企業と違い
中小企業では、現状をそのまま受け止めるだけの社員だけになってしまいます。
仕事はいつの時代も同じようにあるものではないですし、
社員の給料は簡単に引き下げることはできませんが
会社の利益は状況によっては下がるのが止まらないこともあります。
今、自分が置かれている状況は「当たり前」のものではないこと。
「一所懸命決められたことをやっている」=「会社の利益が伸びるものでない」ことに気付き
自分のどういった動きによって、会社の利益を伸ばすことができるのか
「気付き」、改善提案ができる社員に育てあげたいものです。
社員からの「カイゼン」提案を実施されている会社(社員数10数名 製造業)
の経営者に聞いたところ、まずは、提案を出してくれたことに対して褒める、
内容についても決してけなさずいいところを見つけて褒める、を
繰り返しているうちに、100回に1回くらい、おっっというような提案が出てくるそうです。
私も色々な人に会ってみて、本当に頭がいい人って、
ひとつの物事を色々な側面から考え答えをいくつも思いつき、
さらに答えの先がどうなっていくかの展開まで考えることができる人だと思っています。
「気づき力」の養成は、物事を色々な側面から見ることにつながると考えます。
「うちの社員は使えない」と嘆く前に、「気付き力」養成の訓練をしてみませんか?
8月給与の注意事項
1.夏期賞与の支払いがある場合は賞与支払い届の提出が必要です。
2.4月昇給で7月に社会保険料の改定(随時改定)となっている社員の保険料は8月給与控除分から変更になります。
今月の気づき
先日、『武器としての決断思考』『僕は君たちに武器を配りたい』の著者である
京大客員教授の瀧本哲史さんの講演を聴く機会がありました。
瀧本さんは、東大卒でマッキンゼーで3年間勤務し、事業再生で大きな実績を上げ
現在は京大で客員教授の仕事をしながらエンジェル投資家でもある方です。
年の頃は30代前半でしょうか。
これからの日本を支え、変えていくのは20代30代の若者である。
いい大学を出て大企業に就職をし定年まで仕事をするというこれまでのモデルは既に崩壊し
自分自身の頭で考え、表現し、相手との交渉をしていくという能力が求められているという考えから
発刊されたこれらの書籍であり、また京大でも「意思決定論」「交渉論」「起業論」の授業を担当されているとのこと。
90分間のお話を聞いていて、感じたことは、ホンマに頭がいい人の発想の展開力のすごさです。
ひとつの事例があったとしたら瞬時に対応策を複数考え、それらを選択した場合のメリットデメリットなど
おそらくコンピューターよりも速く答えが頭の中に浮かぶんだろうなって思いました。
これまで東大卒の人に何人も会いましたが、瀧本さんの話を聞いて、生まれて初めて
私ももっと勉強をして、東大は無理にせよ、京大とか上の大学をめざせばよかったと思いました。
当時の学力から考えて全く可能性がゼロではなかったと思います。
単に自分がしんどい思いをしたくないという理由で、絶対安全圏内の受験をしてきたことを
初めて後悔しました。
頭がいい人の話を聞いていると、人間の可能性のすごさを感じます。
脳みそを使っている率が違うというか、話を聞いていると
自分の脳も刺激を受け活性化されるのを感じるので
頭がハンパなくいい人に囲まれる環境にいることって大事だなと思いました。
人間、楽をしようと思ったらいくらでも楽はできるけれども成長はありません。
「この人と一緒にいたらしんどい」と思うくらいのレベルが上の人たちに揉まれながら
まだまだあきらめずに成長を続けていきたいと思います。
(2012年08月発行)