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いより通信 vol.63 (2010年05月号)

今こそ見直そう、就業規則

このところ就業規則の見直しの御相談が殺到しています。連休をはさんで4日連続で新規のお客様からの見直しの御相談を受けることになっています。
4月に労働基準法が改正されました。労働時間を削減するために一定規模以上の会社については、月60時間を越える法定労働時間外残業については、150%以上の割増賃金を支払わなくてはならなくなりました。

日本の会社の大多数は中小企業と言われているので、今回の改正は適用がないのですが、残業代に対する世間の関心が高まることが予想されます。残業代の見直しを行うためには、そもそも労働時間がどうなっているのか、残業の多い部署については季節的なものなのか、恒常的なものであるのかなど、分析をしなければなりません。

会社が決めた所定労働時間と、労働基準法で決められた法定労働時間の違いも確認してく必要があります。就業規則改訂の御相談で一番多いのが、改正法に沿ったものに変更したいという以前に、就業規則に書かれた内容と実態が異なっているので、合致させたい、というものです。

就業規則は会社のルールブックです。今はインターネットでダウンロードできる雛形もたくさんありますが、自社に合うようにメンテナンスを続けることが大切です。

就業規則が登場するときって、なにかトラブルが起こったときなのです。そのときになって慌ててさかのぼって修正しようと思っても時、既に遅しなのです。就業規則の改訂は何もない平和なときに行っておくことをお薦めします。

最近は情報の共有化の意識が高まり、社長の机の後ろの金庫に就業規則は大事に入れておくという会社も減ってきたように思います。ルールブックである限り、社員に知っておいてもらわなければ存在意味がありません。社員に公開し、会社はルールに基づいて運営していることを正々堂々とアピールしましょう。

育児介護休業法も6月30日から改正になります。今後は両親共に育児休業を取得する場合は、生後1年プラス2か月休めるようになったり、3歳までの子を養育する労働者が請求した場合は短時間勤務をさせることや時間外労働をさせないこと、また今までは育児休業を取ることができなかった専業主婦を妻に持つ労働者も育児休業が取れるようになります。少子化対策と、最近の男性の育児参加意識の高まりを反映させた改正となっています。

改正法の内容が反映されたモデル就業規則と全国社会保険労務士会が作成した就業規則作成・見直しのポイントがインターネットでダウンロードできますのでご参考になさってください。

参考)

モデル就業規則(大阪労働局)
>http://www.osaka-rodo.go.jp/doc/yosiki/yosi1_doc/model-kisoku.doc

育児・介護休業規定雛形(滋賀労働局)
>http://www.shiga-roudou.go.jp/roudou13/ikuji_kitei.doc

就業規則作成・見直しのポイント
>http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/15.pdf

5月給与の注意事項

  1. 昨年度から労働保険料の申告期限は7月10日になっています。 労働保険料の算定期間は、従来通り平成21年4月から平成22年3月の実績で確定保険料の計算をします。賃金台帳の準備をしておいてください。算定には非課税交通費も含めて計算をする必要があります。また期間途中で退職した人の賃金も含めて計算してくださいね。今年は雇用保険料率がアップしているので、概算保険料がUPする会社が多くなるはずです。

今月の気づき

新年度に入り、みなさんの会社はいかがですか?中小企業雇用安定助成金を出されている会社も少しずつ休業日が減っているように感じます。

私自身は2010年4月は独立して4年で一番忙しい月となりました。就業規則の見直しのご依頼がかなりの件数やってきました。3冊目の本の執筆もありましたし、月刊誌の原稿もありました。セミナー講師も4月は2回ありましたし、それに加えて東京出張も2回。

常に何かの締め切りに追われていた気がします。GW明けは4月と比べると余裕のあるスケジュールのはずだったのですが、先ほど手帳を見たらかなり予定が入ってきていました。ありがたいですね。

そういえばみなさんはスケジュールを何で管理されていますか?私はずっと紙の手帳なのですが、先日3日間くらい手帳が行方不明になり、(事務所の机の引き出しの奥から出てきました)せっかくiPhoneも購入したので、iPhoneとグーグルカレンダーを連動させて、事務員さんともスケジュールを共有できるようにしようかと思っています。事務の効率化大事ですよね。

(2010年05月発行)

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