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過払い利息請求の次は未払い残業代請求か??
電車の乗ると、「借金の過払い利息請求をしませんか?」という広告がやたら目につきます。司法書士さんや弁護士さんが広告を出されているのですが、この過払い利息請求の案件は今後減少していくと言われています。法律が改正され、グレーゾーン金利でお金を借りる人がいなくなっているからです。
この過払い利息請求の次に来るのが、「未払い残業代請求」だと言われているのをご存知ですか?未確認情報ですが、東京の地下鉄には、すでに「未払い残業代を請求しませんか?」という車内広告が掲載されているのだとか。
今年4月から労働基準法が改正されます。1か月45時間を超える法定労働時間外労働については、割増賃金率を1.25以上にするように努めること(努力義務)とされており、1か月45時間を超える法定労働時間外労働をする場合には、時間外協定(通称サブロク協定)で特別条項を設け、そちらに割増率を明記しなければなりません。平成22年4月1日以降に締結される時間外協定が対象になります。
また大企業については、月60時間を超える法定労働時間外労働については、割増賃金率を1.5以上しなければならない、こととなります。中小企業への適用はしばらく猶予されます。
今回の労働基準法の改正を控え、残業代に対する労働者の関心が高まることが予測されます。残業代の見直しをするためには、まず労働時間の見直しをする必要があります。自社の労働時間のうち、どこまでが法定内労働時間でどこからが法定外労働時間になるのか、をきっちり把握しておきましょう。
また、営業職について営業手当をつけることで、残業代は支払わなくてもいい、管理職にしてしまい、役職手当さえ支払えば、残業代は支払わなくてもいい、という考えも危険です。
営業職については、みなし労働を採用されている企業が多いかと思いますが、みなし労働の基準をぜひ見直してみてください。管理職についても、労働基準法で労働時間の規定が適用除外となる管理職はかなり限定的です。
基本給にみなし残業代を含めて支払う場合、みなし残業時間を超える残業時間については、残業代の支払いが別途必要になります。逆に余った時間の繰越はできません。
年俸制で給料を支払う場合も、残業代を含む場合については、基本給と別表示にし、年俸のうち、基本給部分がいくら、残業○時間分(1か月あたり●時間分)のみなし残業代がいくらと表記する必要があります。
3月は決算期を迎える会社も多く、残業が多くなるかもしれませんが、法律改正前に、部署ごとの残業時間を調査し、新年度から人事異動を行い、業務が集中する部署に人を補充することで過重労働の削減をしたいものです。
●改正労働基準法の詳細はこちら
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/091214-1.html
3月給与の注意事項
協会けんぽの介護保険料率・健康保険料率が3月から変更になります。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,0,120,584.html
今月の気づき
いより通信臨時号でもお知らせしましたが、拙著『小さな会社のトクする人の雇い方・給料の払い方』『トラブルにならない 社員の正しい辞めさせ方・給料の下げ方』が共に増刷となり、3刷となりました。
書店でも2冊セットで並べていただいているところも多いようです。中国・九州地方で書店を展開されているフタバ図書の福岡東店の様子を書店員さんがブログで拙著をご紹介くださいました。手書きPOPもつけてくださり、「ロングセラー」という形でご紹介くださっています。
●ブランド書店人を目指すイシゲンのブログ
http://ameblo.jp/ditosf2002/entry-10464852496.html
先月には3冊目の本の企画書も通り、業務の合間を見て執筆を始めます。本業の方もお客様のご紹介をいただいたくことがさらに増えましたが、事務員さんが1年になり、定例業務のかなりの部分を担当してくださっているので、なんとかこなしている感じです。「人の役に立ちたい!」と思って始めた仕事です。必要とされる限りは前向きにどんどんこなしていきたいと思います!
(2010年03月発行)