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プラスアルファの仕事ができる従業員を育てる
中小企業の経営者とご一緒していますと、従業員さんの話になることが多くあります。勤務態度は悪くはないけれども、本人がどうも自分の枠を決めてしまっていて、それ以上のことをやる、という意欲がない、というのが悩みの共通点のようです。
景気がいいときも悪いときも、どうすれば、自分で動くことのできる従業員を育てることができるのか、経営者にとっては永遠のテーマなんですね。
私自身、昨年3月に初めて人の雇い入れをしました。今まで顧問先のお客様に労務管理についてアドバイスをしていたのに、自社の従業員となると、本当に難しいと感じています。
そもそも経営者が求めるジョブサイズと従業員が認識しているジョブサイズが違います。経営者は業務を拡大することや、仕事のクオリティを上げることを考えながら仕事をしているので常に、前向き+拡大思考です。
ところが従業員は、会社の経営方針と個人の人生の価値観のマッチングができない限りは、与えられた仕事を業務時間にこなすだけ、という認識になってしまいます。
私の会社員時代の話です。私は入社3年目で営業担当先を持たせてもらいました。アパレル関係の営業をしてました。ルートセールスです。社内の仕組みは、営業担当と仕入れ担当が分かれていて、仕入れ担当に商品を発注してもらえないと、売り上げを上げることができない仕組みになっていました。
仕入れ担当者は業務量が莫大だったので、新人の私がお願いをしてもなかなか動いてはくれませんでした。発注が遅れると納期も遅れることになります。そこで私が何をしたか。仕入れ担当者の時間をつくるために、彼らの雑務処理を手伝ったのです。大きな岩を動かすためには、まわりの土を取り除かなければ動かないと感じたからです。
なぜ私がそこまでやったのか。自分の成績を上げるためではなく、担当先のお客様との約束を守りたかったからです。
従業員が持つべき意識もそこだと思います。自分の担当業務だけをやって終わりではなく、会社全体を前に進めるためには、仕事が集中している人が動きやすくする状態を皆で作り上げることが大切です。
経営者がやるべきことは、会社の進もうとしている方向を従業員に伝え続けること。現状認識をさせること。やってほしい仕事を、具体的に指示をすること。経営者の期待値で給与設定をしないこと、などが上げられると思います。
従業員の性格によっても、対応を変えていかなければならないので、なかなかこれをやれば必ず従業員がやる気になる!という特効薬はありませんが、あきらめずに経営者の思いを伝え続けること、それに呼応してくれる従業員をリーダーとして育て上げること、でしょうかね。
10月給与の注意事項
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9月から厚生年金保険料の料率が変更になっています。保険料を翌月徴収されている会社は今月から変更になります。
旧 15.35/100(全額:労使折半) →新 15.704/100(全額:労使折半) - 9月から協会けんぽの健康保険料率が変更になっています。保険料を翌月徴収されている会社は今月から変更になります。今年度から都道府県ごとに保険料率が異なります。保険料率は健康保険に加入している都道府県の協会けんぽのHPで御確認ください。http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,0,120.html
- 10月から協会けんぽ・国民健康保険から支払われる出産育児一時金が42万円に引き上げになります。(健康保険組合に加入の場合は、健保組合の規定により上乗せもあり)
今月の気づき
9月はシルバーウィークがあったり、娘の中学校が新型インフルエンザの影響で学年閉鎖になったり、色々なことがあるうちにあっという間に過ぎてしまいました。2冊目の本の原稿はほぼ完成し、月末に出版社さんに送りました。
前半の部、終了なんですが、実は書いた原稿が本になっていく過程の後半の部の方が大変なんです。今から体調管理もきちんと行い、印刷屋さんや本のデザインをしてくださる方、校正の方など、編集者の周りにたくさんいらっしゃる方にご迷惑がかからないようにしたいと思っています。
10月の終わりから11月上旬にかけて、講演も3度あります。うち11月の上旬にあるものは、なんと受講予定者100名を超えているとのこと。某大手ハウスメーカーさんのグループ会社の中小企業の経営者さん向けに労務管理の話をさせていただきます。原稿と並行して準備をすすめたいと思います。
社労士業務の方は、事務員さんもいますので、通常通り行なっております。ご相談等ございましたらご遠慮なくお問い合わせくださいね。
(2009年10月発行)