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いより通信 vol.41 (2008年07月号)

「名ばかり管理職」きちんと対応してますか?

某大手ハンバーガーチェーンの店長の残業代未払い訴訟以来「管理職」の取扱いについて見直しのご相談が増えています。

そもそも「管理職」とは何でしょう。
この場合の「管理職」は労働基準法の労働時間、休憩、休日の規定が適用外となる「管理監督者」を指しています。

多くの企業で「課長職」からは「管理職」として「管理職手当」が支給されている代わりにもう労働基準法上の「管理監督者」であるので「残業代」は支払わないという取扱いにされているのが現状です。

今回のM社の店長については、自分は店長ではあるけれど経営に対する裁量権が与えられていなかったとして残業代の支給を求めて訴訟を起こしたものです。

労働基準法で定める「管理監督者」の判断基準は以下のとおりです。

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1.経営者と同じ立場で仕事をしている。
人事権や経営の決定権、決済権などを言います。

2.出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない。
残業代はつかないのに遅刻について控除されたり、
注意を受けたりではつじつまが合わないですよね。

3.その地位にふさわしい待遇がなされている。
役職手当がついていても、一般社員とお給料が変わらなければ、
「管理監督者」としてはみなしがたいということです。
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こうして見てみると従業員さんが50名までの会社では「管理監督者」は経営者しかいない、という場合も非常に多いです。

「管理監督者」とされる人の姿が席にないときに社長が「あいつ、どこに行ったんだ」と探すようであれば、「管理監督者」としての取扱いは受けていないと考えられます。

すなわち席にいなくても「あいつは会社のために動いてくれているに違いない」と社長が全面的に信頼し、経営の決定権についてもある程度持っている人だけが「管理監督者」となるのです。

残業代を支払わないために「管理監督者」を多発させるのではなくまずは残業をなくすための業務の見直し、人員の配置の見直しなど抜本的な対策を取ることが必要です。
多くの場合「人手不足」が「長時間労働」の最大の原因になっています。

スタッフの底上げのための教育訓練についても今後はより重要になるでしょう。

業務改善、賃金体系の見直しについては当職までご相談下さい。

7月給与計算時の注意事項

1.算定基礎届の提出は7月10日までです。
毎年、社会保険事務所の調査でチェックされるのは「通勤手当」です。
非課税の「通勤手当」についても社会保険料の算定の基礎となる賃金には含まれますのでご注意下さい。

2.賞与支払届及び賞与の源泉所得税の納付もお忘れなく
賞与の支払いがある場合は社会保険事務所には賞与支払届の提出が税務署には源泉所得税の納付が必要になります。
社会保険事務所から賞与支払届が送付されてきている事業所の場合賞与の支払いがない場合でも「支給0」で届出をする必要があります。

3.7月1日?31日まで住民税の還付の申出ができる場合があります。
平成19年に税源移譲がなされたことで(所得税の税率が下がり、住民税の税率が上りました)平成18年に所得があって平成19年に所得がなかった人については住民税は後払いになるので、所得税の税率軽減の恩恵は受けられずに住民税の税率だけ上ったという結果になっていました。

経過措置として、「平成18年は課税所得があり、平成19年は所得が大幅に減った」という人については、住民票のある市町村窓口に申し出ることによって住民税の還付が受けられる場合があります。

例えば従業員さんで昨年(平成19年)は病気休職をされていたり、産休、育児休業を取得されていた方が対象になるかと思われます。

申請期限は平成20年7月1日?7月31日までですので、対象となる従業員さんがいる場合は声をかけてあげてください。

詳細はこちらをご参考に。
http://www.zaisei.city.osaka.jp/index.cfm/6,9405,24,56,html

今月の気づき

6月に入って新スタッフさんが2名来てくださっています。
机は2台しかないのですが、打ち合わせ机や、モバイルパソコンもフル活動して3人でワイワイやってます。

今度のスタッフさんは2名とも常勤ではありませんのでお1人だけ来ていただける日もありますし私だけで仕事をしている日もあります。

スタッフが着てくださって一番喜んでくれたのは実は実家の母でした(笑)
母は私が過労で倒れることを懸念していたようです。
母親というのは離れていてもいつまでも心配してくれているんですね。

人手があるというのは、本当に助かります。
おまかせしている仕事は一部なんですが他人がいることで自分も計画的に動かないとダメになるのでテキパキ仕事をこなすようになり、結果として処理速度が速くなります。

処理速度が速くなると当たり前のことですが時間ができます。
今はできた時間をお客さまへの訪問であったり助成金の提案、ビジネスパートナーとの打ち合わせ、なかなか参加できなかった交流会等への参加にあてています。

HPもリニューアルして早1年経ちましたのでそろそろコンテンツの見直しもしていきたいと考えています。
実は今年のお正月からの課題なんですが・・・

人がいてくれるっていいなぁって心から感じています。
スタッフさんとのご縁、お客さまとのご縁、ビジネスパートナーさんとのご縁。

自分と関わる人がみんな幸せになってもらえるよう元気光線を出し続けたいと思います。
支えてくださっているみなさんに感謝です。

(2008年07月発行)

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