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いより通信 vol.40 (2008年06月号)

そのみなし残業代は危険です!

みなさん、こんにちは。

5月の半ば過ぎから大阪は汗ばむ陽気です。
やっと労働保険年度更新のお仕事も終え少し落ち着いて仕事ができるようになりました。

就業規則の作成、改定のご依頼は相変わらず多く1ヶ月に3軒くらいのお客さまから常にご相談を受けている状況です。

いつもは監督署への就業規則の届出は郵送で行うのですが先日、たまたま事業所さんの近くに監督署があったので自転車で届出に行きました。

監督署に行くと、私が総合労働相談員をしているときにお世話になった監督官がいらっしゃいました。早速就業規則の受付をしていただき、中身をざっと検閲されると

「井寄さん、このみなし残業代、きちんと対応してくださいね」

との一言をいただきました。

就業規則本則・給与規定・退職金規定のある事業所さんだったのですがチェックの入ったのはこの一箇所だけでした。

「最近このみなし残業代でトラブルが増えてるんですよね」

よくありがちなケースは「みなし残業代」を支払っているので全く残業代や深夜手当を支給しないケース。

みなし残業代の取り決めをするときには就業規則には例えば
「みなし残業代として●●手当を支給する」の記載だけでも大丈夫なのですが、

その場合は個別の労働契約で
「●時間分のみなし残業代として●●円、●●手当として支給する」
という明確な取り決めが必要になります。

就業規則で取り決めを記載してしまう場合は
「●時間分のみなし残業代として●●手当を支給する」という記載になります。

深夜割増については、特別に記載していない場合は、みなし残業代には含まれないと解釈されますので(単価を計算すればすぐにわかりますが)午後10時から朝5時までの間に仕事をしてもらう場合は別途25%増しの深夜手当の支給が必要になります。

あとは、やみくもにみなし残業時間を増やしてしまうのは危険です。
例えば「80時間分のみなし残業代として●●手当を支給する」とあったらいかがでしょう。

月80時間の残業というのは通常は36協定での時間外の範囲を超えることになります。
過労死の危険基準とされているのも月80時間の時間外残業。
その危険基準を通常の設定にしてしまうのは危ないですよね。

「残業代を払わない方法はただひとつ。従業員に残業をさせないことである。」

とはある著名な労働法の権威の弁護士先生のお言葉です。

みなし残業を80時間に設定しなければならないほどの業務があるのか。
人員が足らないのか、もしくは業務の効率化ができていないのか。
みんなでダラダラ残業を行う風土になっていないか。

残業代の問題の前にまず事業所でやらなければならないことを考える必要がありますね。

6月給与計算時の注意事項

  1. 今月から住民税が変更になります。
  2. 6月給与計算が終ったら算定基礎届の提出準備をしましょう。

給与計算/よくある質問

Q.休職者がいます。給与の支払いは止めています。社会保険料・住民税の処理をどうすればいいですか?

A.給与計算時に立替金で計算し(非課税・労働保険料除外)
毎月、会社の口座に立替分を入金してもらうようにしましょう。
給与明細を送る際に「立替金については、会社の口座に振り込みをしてください」と通知してください。

産休・育児休業等で復帰日があらかじめ決まっている場合には休職期間がいつまでになるのかわかっているので本人の同意を得て、休職に入る前にお金を預かることも可能です。もしくは支払い方法について本人と話をして決めておくことが必要です。

病気休職者で復帰の目処が立たない場合は、なかなかご家族にも社会保険料や住民税の支払いを言い出しにくい場合があります。
休職期間満了で復帰をせずに退職になった場合、退職金がある会社であれば、そこから相殺もできますが(あらかじめ退職金規定にその旨を定めておくことが必要です)退職金をすべて中退共で積み立てている場合や退職金がない会社の場合は、回収の見込みが立たない場合があります。

社会保険料・住民税は本人が支払うべきものです。
ずるずる請求を延ばしていると、気づいたらとんでもない金額までふくらんでしまっている場合もあります。
そうなってしまうと支払うご家族の負担も大きくなります。

ですので最初が肝心。
心を鬼にして、きちんと請求を行う、もしくは支払い方法についてご家族と話をすることが大切です。
その代わりといっては何ですが、傷病手当金の申請等会社がやるべき手続きはできるだけ迅速に行ってあげてくださいね。

今月の気づき

先月号で『スタッフさんが来てくれたので仕事がスムーズに進んでます!』とご報告していたのですが、5月の半ばで急に退職が決まりました。
今後彼女と一緒にこんな業務もやりたい、あんな業務もやりたいと夢がふくらんでいたので、退職の申出を受けたときには目の前が真っ白になりました。

私の至らなさが原因です。
今後はスタッフさんのやりたいこと、なりたい自分像と事務所として、やってほしいこと、こんな風になってほしい像とのすり合わせが大事だなぁと感じました。

彼女が退職後、気を取り直してハローワークに求人を出しました。
ありがたいことに1週間で5名の方からの応募をいただきました。
現在、選考中ですが、私一人では今の業務は到底こなせませんし何よりお客さまに安心して業務をおまかせいただくためにはスタッフの力を借りることが必要です。

いいご縁がありますように。

あと・・
日本実業出版社さん主催の「ベストセラーを書こう!プロジェクト」の一次審査を通過しました。
現在二次審査に向けて原稿の準備中です。

前書き、目次、企画の意図等はWEB上で公開され二次審査に進みます。
WEBで公開されましたら、みなさんにお知らせしますのでぜひ応援をお願いします。

(2008年06月発行)

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